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ブログ

シミについて

今回は2回目のブログ更新になります。
ブログは主に日々の診療でみなさんに伝えきれないことを、できるだけ正確にお伝えするために書きたいと思います。

今回はシミについて執筆しました。インターネットでは欲しい情報はほとんど掲載されていますが、多く見られるのが「全く学術的でない情報」「不正確な情報」「わかりやすさを重視するあまり言葉が適切でなくなった情報」です。シミについてはそれほど間違った情報は無いように思いますが、混乱をまねく表現が多いこともまた事実です。例えば、くすみという言葉は皮膚科学では使いません。該当する用語も無いと思います。私は美容医療も皮膚科学の延長にあるものと考えていますので、言葉を選んで説明したいと思います。

シミとは

まず、シミという言葉が持つ意味はかなりあいまいです。シミにはいろいろなものがあり、ひとつずつ専門的に区別(=診断する)をしなければ良い治療結果は得られません。わかりやすく言うと、シミには「良性のもの」と「悪性のもの」にまず分かれ、たくさんの種類があるのです。
良性のシミには次のようなものがあります。

①老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)
②雀卵斑(じゃくらんはん)=そばかす
③後天性真皮メラノサイトーシス(Acquired dermal melanocytosis; ADM)
④炎症後色素沈着(Post inflammatory hyperpigmentation; PIH)

※人によっては、肝斑やアザもシミと考えている方もいらっしゃいますが別の記事で触れます。

老人性色素斑やそばかすは、いわゆる「シミ取りレーザー」の効果が最も高いタイプのシミです。シミ取りレーザーにもいろいろな種類がありますが、当院ではルビーレーザーを使用しています。ルビーレーザーの長所は、メラニンに非常に効果的な波長を持つ点です。一方で炎症後色素沈着を起こすリスクも最大40%程度ありますので、シミ取り治療前の準備治療(プレトリートメント)と、シミ取り後の肌管理が大切です。プレトリートメントについてはまた別の記事に使用と思います。一度の治療で大きな結果を出す治療は、副作用も大きいものです。
このような理由から、当院ではシミ取り治療をご希望される方には、まず10分程度の説明を受けていただくようルールを設けております。
炎症後色素沈着が起こってしまった場合についての記事は、また後日追記しようと思います。

良性のシミがあれば悪性のシミもあります。これには以下のようなものがあります。

①光線性角化症
②基底細胞癌
③悪性黒色腫・悪性黒子

特に③の悪性黒色腫・悪性黒子というのはシミに似ていますが、悪性度が非常に高いです。トレーニングされた皮膚科医でなければ疑うことも出来ないと思います。
最近は商業志向の強い美容クリニックがたくさん出てきた影響なのか、これらの区別がされずレーザーを照射され、拡大・進行した状態で皮膚科クリニックを受診する例がみられます。医師の経験や知識の不足も考えられますが、忙しくて説明する時間もないのかも知れません。しかしどのような理由があるにせよ、このような事例があるというのは知っておいた方が良いでしょう。

まとめ

①シミには良性と悪性のものがある。
②良性のシミの中でも「シミ取りレーザー」が適しているタイプのシミは限られる。
③あなたの「シミ」が何なのかしっかりと見分けることができ、最適な治療を提案してくれる医師を見つけてください。

美しさは、健康な皮膚の上に成り立ちます。私は一時的な流行や効率を追うのではなく、10年後、20年後を見据え、当院を受診していただいた全ての方に責任を持てる医療を提供したいと考えています。